2006年12月04日

ふしぎ星の☆ふたご姫 Gyu! オープニングの事 その09

カット11

エリザベータの金の像から作画で引いて、エリザベータ登場
シャシャとカーラまで・・というカットです

原画は、当時GONZOで仕事をしていた樋口靖子さんです
前回もオープニングを手伝って貰いました
カレイドスターなどでも作監をしていて、もう佐藤順一作品の常連さんですね


さて、このカットの背景を、夜のマンハッタンのようなイメージで、と発注したわけですが、実はこの当時、エリザベータの星の設定は出来上がっていませんでした(w

後から全然違うイメージの設定に変更になった場合、取り返しがつかなくなるので、このカットでは思いっきりボカシをかけて誤魔化してあります(w



余談ですが、この手の、ほとんどポーズが変わらないで作画で後ろに引いていくカット・・というのは、動画の崩れがもろに分かってしまいます

これは、国内動画、海外動画に関係なく、その技術そのものが稚拙であれば、即、それが画面に反映されてしまうのです

それがオープニングのように毎週オンエアーされるものであれば尚のこと、担当した動画マンは、それが放映されている間中、針の筵に座らせられているようなもんです

以前、東映の某少女物のオープニングで、作品のタイトルの文字を作画で後ろに引かせたら、もう、ボロボロの動画で上がってきた事がありました
「これが国内の動画かよ!」とスタッフ一同愕然としたと聞きます
(ちなみにそのまま放映されました)

作画でゆっくり引く、また手前に来る動画には、極力注意を払って頂きたいものです



> なるほど、曲にタイミングを合わせるためのシートがあるんですね。
 「Gyu!っとGyu!っと 目を閉じて」 
 「Gyu!っとGyu!っと 願うとき」
 ここは前のバージョン同様、2回目と3回目のアクセントは、拍の裏を取りにいっているタイミングなのでしょうか?(天使が現れたり、ファインとレインが手を返し、ハッピーベルンが表を向いたりする所です)

 前のバージョンの、そのタイミングがすごく好きだったので…。
 このあたりも、にくきゅうさんがスポッティングシートを作られてるところから生まれてきているんですね〜。
 スポッティングシートの作り直し、お疲れ様でした。



aquaさん、コメントありがとうございます


よく見てますね(w

まぁ、aquaさんは音楽で生計を立てるようと頑張っているみたいなので、余計にそういうところに目が行くんだと思います(w

おっしゃるとおり、裏拍には結構気を使いました・・・というより、裏拍表拍ともかなり悩まされました(w



一番困ったのは、歌詞テロップの入り方です


今回は前回と違って、ロックの曲調なので、当然の事ながら裏拍にアタックが来ます
そして歌詞も、前小節から次の小節にかけて歌う部分が多かったのです



ここで何が問題なのか?というと

小節のアタックの部分でカットを切り替えると、歌詞テロップの切り替わりと合わない・・・ということです


代表的な例で説明すると

「青い〜空にかーけた、虹を渡って〜」の部分

「あお」が前小節で「いー」が次の小節の表一拍目にきます


本当は「いー」の部分でカットを切り替えたいところなんですが、そうすると歌詞テロップが先に切り替わり、画面のカットが数コマ遅れて切り替わる・・ということになります

「これは絶対にやるな」と厳命されていました


そこで僕はどうしたか・・?というと
まずは表示される歌詞テロップの文字数を数える事からはじめました


「毎度毎度の挑戦に、焦らず、マイペース」まで一度に表示出来れば
この間だけはテロップに関係なく、小節の切り替わりや裏拍のアタックでも、カットの切り替えが可能なわけです
「失敗はサクセスの元、わかってる」も一度に表示できたので、自由にカットを組み替える事が出来ました



つまり、一度の切り替えでなるべく多くの歌詞テロップの文字が入れば、それだけ自由度が高くなり、画面を音楽に合わせる事が出来るのです

もちろん、歌詞の意味や段落なども最大限考慮して、歌詞テロップの配置と切り替えのタイミングを文字数を自分で数えて決め、あらかじめ局やスポンサー等に送ってOKを貰ったのでした




ただ「青いー空にかーけたー」の部分だけは、どうにもならず
カットの切り替えが、テロップ表示と一緒に「あ」の部分になっています


ただ、その分、「青いー」「いー」の部分の表拍のアタックに関しては、フレームに切り取られた「魔法バンク」のベルンを振る動きのアタックをかまし、視聴者に違和感を感じさせないように工夫しています

こういう部分は沢山あって、王子達が手をのばすカットなども、歌詞の歌い出しにカットの切り替えを持ってきて、手を伸ばす動きのアタックに表の一拍目を使う・・といった具合です


この画面の切り替えと、テロップの縛りはどうにかならないものか・・と、最近つくづく思います




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posted by にくきゅうファイター at 03:10| Comment(1) | TrackBack(0) | ふたご姫 Gyu!オープニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 なるほど、OPにおけるテロップと演出の間にはそんな関係があったのですね。

 にくきゅうさんの記事を見た後、いろいろなアニメのOPを見返してみたんですが、まず「テロップの出ないタイプは無条件で楽になるって事だよなぁ…」と思いましたw

 テロップの出る物は、テロップのタイミングとカットの切り替わるタイミングの関係に注意して見てみました。
 すると、テロップとカットの切り替わりがぴったり合っている場合。カットがテロップにほんの少し先行して切り替わり、テロップが後からついてくる場合。あまり厳密でなくタイミングが割りと自由な場合・・・wと、いろいろあることに気がつきました。
 あと、映像と音が微妙にずれている・・・?と思うことも何度かあったのですが、これはにくきゅうさんの方で第1期のオープニングの記事に書かれていました。
 http://nikukyu-.seesaa.net/article/8810622.html

 でも、いろいろ見ていて思ったのは、Gyu!OPの、音への合わせて行き方はやっぱり異常なんだなぁ〜、ということでしたw
 こういったものは、おっしゃるタイミングの他に、キャラクタの演技やエフェクトの動き方などのニュアンスが、1分半という短い時間の中、OP曲とどう「音楽的に」絡ませていくかということも重要でしょうし、OPを担当される方の、個性と腕の見せ所だと感じます。

 とにかく、OPを作るのは本当に大変で、だからこそ魅力あるものなのだなぁ、と思います。
 OPだけ集めて見て楽しむという人も多いでしょうし、僕もそういう感じですw


 お疲れ様でした!
Posted by aqua at 2006年12月04日 18:48
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